健康保険の被扶養者認定基準が変更?改正ポイントと実務対応の注意点を解説


パート・アルバイトを雇用している企業や、扶養内で働く方にとって重要なテーマである「130万円の壁」。
制度自体は変わっていないものの、運用ルールが大きく見直されているため、正しく理解しておくことが重要です。

本記事では、130万円の壁の基本から、改正内容、実務上の注意点まで分かりやすく解説します。

130万円の壁とは?

「130万円の壁」とは、社会保険の扶養に入る年収基準のことを指します。

年収が130万円未満(※1)であれば、配偶者や親の扶養に入り、健康保険・年金の保険料負担が発生しません。
一方で、130万円以上になると扶養から外れ、自ら国民健康保険等に加入し保険料を負担する必要が生じます。

そのため、保険料負担を避けるために、あえて年収を130万円未満に抑える働き方を選択されるケースも多く見られます。

※1 60歳以上または障害者の場合:180万円未満 19歳以上23歳未満の場合:150万円未満

何が変わったのか?

今回の改正で変更になったのは、年収の判断方法です。

改正前

基本的に実際の年収(実績)で判断されていました。
そのため、繁忙期の残業や一時的なシフト増加などで年収が130万円を超えると、意図せず扶養から外れてしまうリスクがありました。

改正後

基本的に労働契約で定められた年間収入の見込み金額で判断されます。

雇用契約上の年収が130万円未満であれば、繁忙期対応や一時的な残業代などでの想定されていなかった臨時収入により年間130万円以上になっても、社会通念上妥当な範囲内であれば被扶養者のままであるようになりました。

実務への影響

この見直しにより、無理なシフト調整の必要が減り、人手不足時の柔軟な対応が可能になるなど、現場の運用が大きく改善されるメリットがあります。

注意点

制度が柔軟になった一方で、企業側の管理責任はむしろ重要になっています。

① 雇用契約書の内容が非常に重要

判断基準が契約ベースになるため、
・年間収入の見込み設定
・労働時間の設計

 が不適切だと、扶養認定に影響が出る可能性があります。

② 見込みと実態の乖離に注意

契約上は130万円未満にしていても、常態的に130万円を超えるような場合は、認められません。
このような場合は後から扶養認定が取り消されるリスクがあります。

③ 給与以外の収入がある場合は対象外

今回の改正は、給与収入のみの方を対象としています。

以下のような収入がある場合は注意が必要です

・老齢年金
・不動産収入
・事業収入

これらの収入がある場合は、従来どおりの判断になります。
また、給与収入とその他の収入を合算して判断されます。

④ 従業員のヒアリングの重要性

企業が把握していない収入があると、

・想定外に扶養から外れる
・後から保険料が発生する

といったトラブルにつながります。
採用時・契約更新時の従業員へのヒアリングが重要です。

問題ないかな?と不安になられた方はご相談ください

「このシフトでいいのか分からない」
「これまでの契約書で問題ないのか不安がある」
「扶養の判断でトラブルを避けたい」

このようなお悩みがある場合は、状況に応じた判断が必要です。

制度の正しい理解と実務対応の整備が、リスク回避と人材活用の両立につながります。

少しでも不安がある場合は、アミーチ社労士事務所にご相談ください。

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